| 雌阿寒岳から釧路市立博物館 |
| 1 | 雌阿寒岳 |
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飛行機が羽田から離陸すると間もなく、「到着地、釧路の天候はキリ」とアナウンスがあった。 釧路空港に着くと、薄曇りだけれど、キリはなかった。 釧路空港の営業所でレンタカーを借りるとき、今日の午後か、明日の朝、雌阿寒岳に登りたいのだけど、どっちがいいだろうかと聞いてみると、「今日のほうがいい、台風が近づいてるから−キリだけど。」といわれた。 国道240号線を北上して阿寒湖に近づくと、はじめに雄阿寒岳が道の正面に現れた。キリなんかなくて、見事な山頂が青空を背景にくっきりとそそり立っていて、興奮してくる。 |
| 雌阿寒温泉 12:35 |
駐車場に車を置き、車の中で昼食をとる。台風が来ないうちに、キリがでないうちに、と少しせかされるような気持ちですぐ歩き始める。 雌阿寒温泉は静かな温泉郷で、旅館、国民宿舎、ユースホステルの3軒だけ。そのほかに廃墟になっている建物があって、その向こうに雌阿寒岳がのぞいている。 その左手から登山道に入る。 |
| 1合目 12:35 |
アカエゾマツの林の中を歩きはじめる。 土が湿っている。 いくつかシャクナゲが咲いていた。7月半ばなのに。まるでタイムマシンで季節を戻ったみたいだ。 沢音が聞こえる。 |
| 2合目 12:45 |
1合目ごとに白い柱が立っている。 |
| 3合目 |
ここで山頂が見えてくる。樹林を抜けていったん谷底に降りてから、むき出しのざれた斜面を行く。 |
| 7合目 13:45 |
山頂の左手方向に向かっていた道が、ここで右に折り返す。まっすぐ山頂に向かう道になる。 高い山に登ると気圧が低くなるので、パンの袋なんかがこんなふうにパンパンになる。破れることもあるのだろうか? |
| 山頂 14:10 |
火口をぐるりと囲む切り立った壁の最高部が山頂で、標識が置かれている。 赤い錆色の断崖は切り立っているし、風はビュービュー吹きつけてくる。ここは元気な活火山で、白煙が音を立てて吹き上げている。ちょうど台風の前触れのような黒い雲が流れてきて空の半ば以上をおおって、なんだかすさまじい景色になっている。 火口の中心からかなりずれた位置に、青い円形の沼が水をたたえている。 火口壁の向こうに、黒々とした阿寒富士が、きれいな富士山型をしている。
振り返った背中側には、吹き出した硫黄に覆われているらしい地形があって、その先に阿寒湖と雄阿寒岳が青くかすんでいる。 キタキツネがすぐ近くに現れて、こちらにお構いなしに、じっと前を見たまま、歩き過ぎていった。 |
| 分岐 14:35 |
火口壁を左に回り込んでいくと、雌阿寒岳と阿寒富士の中間点から、オンネトーという、聞き慣れない響きの名の湖に下る道が分岐している。 阿寒富士は、形は富士山、黒い粒状の表面は浅間山を思わせる。 樹木どころか、草にもほとんど覆われていないので、円錐形の塊に迫力がある。ジグザグの道がついていて、下りは滑りやすそうな道に見える。 日が長い時期ではあるけれど、昼を食べてから歩き始めたので、阿寒富士には登らないことにして、分岐を右に折れ、オンネトーに向かう。 阿寒富士の黒い山容を左に、オンネトーの水面を正面下方に見下ろしながら、降りていく。 |
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阿寒富士の山体の大きな表面を、雲の影が通り過ぎてゆく。 斜面にいくつかの岩が、今にも転がりだしそうにとまっている。 |
| 道筋には、メアカンキンバイの小さな黄色い花の群落が沢に沿っていくつもある。北海道の高山だけにある花で、帰ってから調べてみると、1897年に川上滝弥という人が採集した標本を、牧野富太郎が1902年に発表した論文でメアカンキンバイと名づけていた。名前がついて100年たった花だったわけだ。 コヒオドシがひらひらとんでくる。 |
| オンネトー キャンプ場 16:10 |
シダと苔の樹林を抜けて、オンネトーの湖岸にあるキャンプ場に着く。 キャンプ場を抜けて湖岸にでると、みどり色の静かな水面が広がっている。右岸の遊歩道をしばらく歩いてから、右に折れ、湖畔から離れて登っていく。 アカエゾマツの原生林で、このあたりにもエゾシャクナゲが咲いている。 林を抜けて出発点の駐車場に戻る。 |
| 雌阿寒温泉 17:00 |
3軒きりない宿の1つに泊まる。 予期したキリはなく、台風もまだ届かないし、ほぼ晴れて、ときどき雲が通り過ぎていくだけで、いい山行であった。 |
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