樽前山からアルテピアッツァ美唄



 1  樽前山




 
千歳から車で支笏湖方面に向かい、途中で苫小牧に向かう道が左に折れていくのを見送って直進する。樽前山7合目ヒュッテまでは千歳市街から約30km。

ヒュッテのすぐ先に広い駐車場がある。
かなりキリが濃いけれど、とにかく歩き出してみる。

背の低い樹林をまもなく抜けて石ころだらけの道を行く。
晴れていれば好展望らしいのだが、今日はまわりじゅうキリばかり。
しだいにキリというより、ほとんど霧雨になっていて、髪に触れてみると、たっぷり濡れている。

1時間ほどで樽前山という標識に出会う。
すっかりキリに包まれていて、あたりの様子がわからない。釈迦の指に行き当たった孫悟空のような気分になる。


ここで、頂上ドームがケーキの上のクリーム状に突出している、特異な景観が見晴らせるはずなのだろうか。
火山についてのテキストや登山用ガイドブックの説明に、いかにも興味をひき、気持ちをそそることがたくさん書いてある。
−山頂に直径1.4kmの小カルデラがあり、その中に火砕丘があり、さらにその中に1909年に出現した溶岩円頂丘がある。
−眼下には、支笏湖、遠くは太平洋、日高山脈まで望める。
写真を見ても面白そうな形をしているし、しかも短時間で登れるというのでここに登ってみようときめたのだが、残念だ。
かろうじて見えている標識だけ写真にとって引き返す。

(このあと北海道開拓記念館に行くと、「描かれた北海道」という展覧会を開催していて、「胆振国勇払郡樽前岳噴火之図」というのを見た。1874年2月8日の噴火を、当時、北海道開発にあたっていた札幌の開拓使本庁から眺望して、その役人・船越長善が描いたもの。船越は翌日、現地視察に行き、その報告書にあわせて噴火の図を提出したという。)


 
遠くの眺めはないが、道ばたにはイワブクロが咲いている。この山にちなんでタルマイソウともいう。

車で7合目からいったん支笏湖畔にでて、湖から遠ざかるようにして札幌に向かった。
湖畔から見た樽前山は、まだキリをかむったままだった。

7合目ヒュッテは、樽前山の東北方向にある。山の西側、支笏湖側の登り口には、苔の洞門という、道の両側に迫る岸壁に苔がついている珍しい場所があるというのだが、岩の崩落があって、しばらく通行禁止になっていた。
夜、テレビを見ていたら、安全確認のできたところまで入れるようになったとニュースで報じていた。

(山行:2002年7月)

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