大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000


人がいい



松代町の犬伏バス停付近にトーマス・エラー の「人 自然に還る」という作品がある。自分の大きな全身像が畑の向こうにかかしのように立っている。見ていたら、その隣の畑の所有者であるという人が「あれは広告か?」と話しかけてきた。「この広告みたいなものが立っている畑に育っている植物は蕎麦である」ことから始まって、蕎麦についていろいろと教えてくれる。
こちらは日暮れが近づいていて、やや先を急ぎたい感じだったのだが、この人はたばこに火をつけて、のんびり話し込む構えになっている。

翌日、松代町の中心部に作品が集中しているうちの1つ、村木薫 の「土壁による修景プロジェクト」の家にお邪魔すると、築100年以上という古い家に住む夫婦が、家について、暮らしについて、あれこれと話してくれた。

トリエンナ−レのパンフレットには、冬にはものすごい雪が降り、過疎で高齢化が進む地域だと説明してあったので、もっと暗い閉じた雰囲気を予想していたのだが、作品を見るあいだに出会った人も、宿の人も、明るくのどかで気持ちいい人ばかりだった。

この地域の人ではないが、ボランティアも明るく親切な応対で、感じがよかった。
素晴らしい作品が展開しているし、地域振興が最初の目的でもある事業だから、大勢の人が訪れるといいが、こうした人たちの好意を裏切らないように、作品の近くには空き缶の山というようなこよがあってはいけないと思った。



 作品がいいし自然がいい/人がいい/暑いけれど涼しい交通案内宿泊案内美術館top