大弛小屋・北奥千丈岳から笛吹川フルーツ公園(山梨フルーツミュージアム)


 1  大弛小屋から国師岳 ・ 北奥千丈岳 


大弛小屋−前日

 
西の山に日が沈みかけている。
車を走らせ、国道140号から、鼓川(つづみがわ)に沿って遡り、焼山峠(やきやまとうげ)を経由し、牧丘川上林道を上がった。
途中に1kmくらい未舗装区間があったが、工事中だったから、来年には全線舗装になりそう。
沈みかけている太陽の光が真横からさして、黄葉した木々を輝かせている。

大弛小屋は、太陽光で電気を蓄え、太陽熱で湯を沸かしている。燃料をつかう自家発電はそれで足りないときのバックアップにしか使わないので、静かで、いやな匂いもしない。

昼間は車に冷房をきかせていたくらいだったのに、2000メートルをこえる峠では日が暮れると寒い。室内では、ストーブで薪を燃やしているのがしみじみとうれしい。
夜になり、外に出てみると、半月が冴えた光を放っている。

大弛小屋7:10



 
夜は強い風が吹いていた。
朝、霧がでている。好天を確かめて昨日の午後にでかけてきたのにガッカリする。
小屋の主は9時頃には晴れるかなという。のんびり待つしかないかと朝食を食べているうちに、青空がのぞいて、小屋のまわりの霧も晴れていく。
気持ちが浮き立ってきて、ペースをあげて食事をすませて、小屋をでる。

小屋の脇から歩き出す。大小の岩と、木の根がごつごつ張りだした道。単調な登り道よりこういうほうが、僕は歩いていて楽しい。
夢の庭園」と名づけられた景勝地があるが、遊歩道の付け替え工事中で立入禁止になっている。大弛峠付近も整備中だった。
かつて北奥千丈岳に登るにはたいへんな時間と体力を要したらしいが、ますます便利になるらしい。あまり便利になると、今ある小屋はどうなってしまうのかと心配になる。
右手うしろ、木の間ごしに、金峰山(きんぷさん)の五丈石(ごじょうせき)といわれる突起を、ときどき振り返りながら進んでいく。



前国師 7:40


 




前国師という小ピークを過ぎる。ここも展望はいい。


三繋平 7:43
 
前国師から少し下り、国師岳と北奥千丈岳の分岐にでる。平坦な地形で、三繋平(みつなぎだいら)という。
直進して、まず国師岳に向かう。


国師岳 7:50−8:00
 
わずかの登りで国師岳の山頂に着く。
花崗岩の岩がいくつも地面から頭をのぞかせている。
強い風に吹かれて、霧が激しく流れている。
すぐ前に北奥千丈岳の大きな山体。
その左手に富士山が、霧の流れる間からときおり姿をみせる。
北奥千丈岳の右手には南アルプス方面の山々が見えるはずだが、そちら側はすっかり霧にさえぎられている。

向こうに見えるのが北奥千丈岳。
山頂にテントを張って泊まっていた人たちが片づけているところだった。わりと広い山頂いっぱいに、寝袋やザックや食糧の袋などが置き散らしてあって、もう少しカメラを下に向けるとすっかり写ってしまう。


三繋平 8:07
 
いったん三繋平に戻ってから、北奥千丈岳の山頂に向かう。

北奥千丈岳8:12
   −8:45


 
こちらは大きな岩が地表面より上に積み重なっている。
低いハイマツに混じって、シャクナゲがたくさんある。


こちらに歩いてくるわずかの間に、また霧が濃くなってきた。
はじめのうち、さっき登った国師岳が見えていたが、霧の晴れるのを待っているのに、逆に濃くなるばかり。
しばらく待ったが、見切りをつけて降りる。


大弛小屋9:20
 
歩き始めてから2時間ほどで戻った。実際に歩いた時間は1時間半くらい。
山小屋に泊まって、のんびり2時間ほどで、2600mほどの山頂2つに立つ。
9時20分に小屋にもどってきて、もう山から降りてしまうのだから、ずいぶんぜいたくなことだった。
今日も降りてから、もう1つの楽しみが待っている。


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